尿路悪性腫瘍(膀胱がん・腎盂尿管がん)
尿路悪性腫瘍とは、おしっこの通り道である「尿路」に発生するがんの総称です。具体的には膀胱がん、腎盂・尿管がん、尿道がんなどの尿路上皮を発生母地とする悪性腫瘍(尿路上皮がん)のことを指します。神奈川県横須賀市のこいずみ腎・泌尿器科クリニックでは、日本泌尿器科学会専門医・指導医、さらには日本がん治療認定医機構のがん治療認定医としての資格を持つ院長が、お一人おひとりの不安に寄り添いながら診察を行っています。京急線の横須賀中央駅から徒歩1分という通いやすい場所で、早期発見・早期治療のための丁寧な診察と、専門的な知見に基づいた適切な治療方針のご提案を大切にしています。尿路悪性腫瘍は初期には痛みがなく放置してしまい、進行がんで発見されることも少なくありません。少しでも気になる症状があれば、どうぞお早めにご相談ください。
尿路悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がん、尿道がん)の症状について
尿路に発生するがんに共通する症状は、「血尿」です。私たちが日々の診療で特に注意を払っている症状は以下の通りです。
血尿について
尿路悪性腫瘍において、最も多く見られるサインの一つです。特に、痛みなどの他の症状を伴わないのに目に見えて赤いおしっこが出る「無症候性肉眼的血尿」は、尿路上皮がんの他、進行性腎がんでも生じることがああり、重篤な疾患を疑う重要な指標となります。一回だけで止まったからと安心せず、必ず受診してください。
血尿の詳細については「血尿が出た」のページも参照してください。また、「腎がん」のページも参照してください。
排尿時の違和感や変化
初期段階ではほとんど症状が出ませんが、進行すると尿道が圧迫され、排尿に関するトラブルが起こります。尿が出にくい、尿の勢いが弱い、何度もトイレに行きたくなるといった変化は、尿道がんなどの可能性も否定できないため、精密な検査が望まれます。排尿トラブルの詳細は「尿が出づらい」のページを参照してください。
痛みや腫れ、その他のサイン
尿路悪性腫瘍の種類に応じて、以下のような症状が現れることがあります。
- 背中や脇腹の鈍い痛み(腎盂尿管がんなどに見られることがあります)
- 骨の痛みや体重減少(全身へ広がった進行期に見られることがあります)
これらの症状は、がん以外の病気でも起こり得ますが、泌尿器科の専門的な視点での判断が必要です。骨転移を期待しやすい泌尿器がんには前立腺がんがあります。前立腺がんについては「前立腺がん」のページをご覧ください。
尿路悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がん、尿道がん)の原因について
尿路にがんが発生する理由は一つではありません。医学的には、いくつかのリスク因子(その病気になる可能性を高める要素)が重なることで発症すると考えられています。生活習慣に関わるものから、自分では避けられない要因が複合的に関わってきます。
喫煙習慣の影響
タバコは肺がんの原因として有名ですが、実は泌尿器科のがん、特に「尿路上皮がん」の最大のリスク因子となります。タバコに含まれる発がん性物質が血液を通って尿として排出される際、膀胱の粘膜を長時間刺激するためです。喫煙者は非喫煙者に比べて、膀胱がんの発症率が数倍高まると言われています。
加齢と性別
多くの尿路悪性腫瘍は、年齢を重ねるごとに発症しやすくなります。人口の高齢化に伴って患者さんの数も増加傾向にあります。また、多くの泌尿器がんにおいて、男性の方が女性よりも発症しやすい傾向が見られるのも特徴です。
その他の環境・遺伝的要因
以下のような要因も、尿路悪性腫瘍の発症に関与している可能性があると考えられています。
- 化学物質への露出(特定の染料やゴム製品などを扱う職業など)
- 肥満や高血圧(特に腎がんの発症リスクを高めるとされています)
- 遺伝的な素因(血縁者に前立腺がんや腎がんの方がいる場合、リスクが高まることがあります)
- 慢性的な炎症や尿路結石(長期にわたる刺激ががんを誘発する一因になることがあります)
尿路悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がん、尿道がん)の検査について
当院で尿路悪性腫瘍を診断するための検査についてそれぞれ解説します。
- 尿検査・尿沈渣:血尿の程度や尿中のがん細胞(異型細胞)の有無を顕微鏡で調べます。
- 尿細胞診:尿中にがん細胞が含まれていないかをさらに詳しく顕微鏡で確認します。
- 超音波(エコー)検査:膀胱内におでき(腫瘍)が内科確認します。また、腎盂尿管がんでは腫瘍によって尿の流れが悪くなり、水腎症(腎臓の中に尿が溜まって腫れること)を認めることがあるため腎の評価も合わせて行います。
- 膀胱鏡検査:尿道から細い内視鏡を挿入し、尿道ならびに膀胱内を直接観察します。
- 造影CT検査:造影剤を血管内から注射し尿路全体を染めて詳しくし調べます。
- MRI検査:腫瘍の進展度や周囲組織への影響を評価します。
CTやMRIが必要な場合は、提携先の高度医療機関へご紹介させていただきます。
尿路悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がん、尿道がん)の治療について
こいずみ腎・泌尿器科クリニックでは、患者さんの病状や年齢、生活スタイルを総合的に判断し、最適な治療法を提示します。
膀胱がん
・経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)・・膀胱内視鏡技術を用いて、診断・治療を目的として行われます。切除した腫瘍は病理診断を行い、がんの深さ(深達度)とがんの顔つき(悪性度)に応じて、開腹手術や内視鏡的手術、抗がん剤治療などを検討していきます。TURBTが必要な場合は連携先の高度医療機関をご紹介します。
・抗がん剤やBCGによる膀胱内注入療法・・高リスクの表在性膀胱がんや上皮内癌の場合、術後に抗がん剤やBCG(弱毒化した結核菌)の膀胱内注入による治療を行う場合があります。再発や進展(がんの深達度や悪性度が悪化すること)のリスクを抑制する効果が期待できます。膀胱内注入療法は当院でも実施可能です。
腎盂・尿管がん
最近では、腹腔鏡やロボット技術を用いた腎尿管全摘除術(腎臓と尿管が繋がったままの状態で膀胱の繋ぎ目で切り取り除く手術)が標準治療となります。一部の早期がんでは、尿管鏡による腎温存治療を検討する場合があります。進行がんや転移がんでは、抗がん剤治療や免疫療法を併用した治療を行います。当院では、腎盂・尿管がんが疑わしく、精密検査や治療が必要と判断された場合には、速やかに提携先の高度医療機関へご紹介いたします。
尿道がん
尿道がんの治療は、がんの大きさや広がり(病期)に応じて決定されます。早期の場合は手術による切除が中心となり、進行例では手術に加えて、抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせた集学的治療が行われます。尿道がんが疑われた場合、精密検査や治療のために、提携先の高度医療機関へご紹介いたします。
尿路悪性腫瘍についてのよくある質問
Q1. 家族にがんの人がいなければ、検査を受けなくても大丈夫ですか?
A1. 遺伝的な要因も一つですが、尿路がんの多くは生活習慣や加齢などが原因で発生します。家族歴がなくても、50歳を過ぎたら定期的な検査(尿検査やエコーなど)を受けることを強くお勧めします。
がんの心配のある方は「健康診断」のページをご覧ください。
Q2. 血尿が一度出ましたが、その後は止まっています。様子を見て良いですか?
A3. いいえ、決して放置しないでください。膀胱がんや腎盂尿管がんの場合、一度血尿が出てもその後自然に止まり、数ヶ月間何の症状も出ない(無症候性肉眼的血尿)ことがよくあります。その間にがんが進行してしまうケースをこれまでに数多くみてきました。一度でも血尿が出たら泌尿器科を受診してください。
Q4. 治療後の再発が心配です。どのような検査がありますか?
A4. 尿路上皮がんは再発のリスクが高いとされています。当院では、ガイドラインに基づいた定期的な通院スケジュールを組み、尿検査(尿細胞診)、膀胱鏡検査、エコー(±CT検査)などを組み合わせて、定期的なフォローを行います。
院長より
「がん」という言葉を耳にすると、誰もが大きな不安に包まれることと思います。特に尿路悪性腫瘍は、症状がデリケートなため、「恥ずかしい」「相談しづらい」という理由で、発見が遅れてしまうことが少なくありません。私はこれまで、日本泌尿器科学会専門医・指導医として、またがん治療認定医として、数多くの尿路上皮がんの診断と治療に携わってきました。治療に難渋するケースを数多く経験してきました。泌尿器がんの診療において、早期発見・早期治療は、治療成績の向上や生活の質を維持する上で非常に重要です。私たちは、みなさんが、健康で自分らしい生活を送れるよう、全力でサポートいたします。どんな些細な悩みでも構いません。どうぞお気軽にクリニックにお越しください。スタッフ一同、皆さんのお越しを心よりお待ちしています。
当院の診療方針や特徴については「当院の特徴」のページも併せてご覧ください。
